2010年ウクライナ

屋外広告物視察 ウクラナイナ 2008 
               (2008.8/3~12)

『活力あふれた広告景観に感銘』 (2010年11月25日「総合報道」紙第1678号掲載文に加筆)

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 今夏、東欧のウクライナを訪れる機会があり、屋外広告物を多数視察できた。
ウクライナは日本の約1.6倍という国土面積を誇り、東にロシア連邦、西にハンバリーやポーランド、スロバキア、北にベラルーシが位置する。91年にソ連崩壊に伴い、独立した。

 私が視察したのは、首都のキエフをはじめ、オデッサ、クリヴォーイ・リク、ザポリージャ。また、クリミア半島のケルチ、ヤルタ、セヴァストーポリ、シムフェロポリなど。
 屋外広告物は、量としてはおもいのほか、多く見られた。サイズや形態が数種類に規格化され、全体として雑多な印象はなく、デザイン(表示内容)は文字だけよりビジュアルデザインも多く、洗練さを感じた。ただ、動画(映像系)は少なかった。
 しかし、道路占用型の広告物は日本よりもはるかに多く、広告景観としては活力にあふれ、良好な感想をもった。

■自立広告物
 米国に見られるブルテイン型は少なかった。広告物は人の目線の高さを重視し、大きさもコンパクト。道路占用は柔軟さがあり、道路に突き出したもの、道路中央部に屹立させるものが多かった。
 形態は独創性があり、例えば主柱を直立させるのみならず、傾斜させたもの、Y字形、V字形にさせたタイプも見られた。またユニポールで両持ち(複葉)にさせたもの、3面もちにさせものもあった。3面変換ボードも多数見受けられ、改修工事現場にも遭遇した。
 道路交差点(ロータリー)には、品の良い広告施設を設置している例もあり、また置き基礎による自立広告も時々、見かけた(地震は非常に少ない国のようだが・・・)。広告媒体のブランドは「BIG BOARD」「EURO BOARD」など。

↑ユニポールで両持ち(複葉)にさせた自立広告物

■壁面広告/屋上広告
 壁面広告の量は少なかったが、巨大サイズもあり、見応えがあった。
 屋上広告は自家広告はあったが少なかった。特に有料媒体物件は1~2例しか見かけなかった。

↑ユーモアある壁面広告。下は筆者。


■橋桁広告/バスシェルター広告
 橋桁広告は、多数見られた。日本は、禁止場所に指定されているが、以前視察したコーカサス同様、旧ソ連圏には多いようだ。バスシェルター広告は近代的なものがなかったが、すでに設置されていた。

■車体へのボディ広告
 バスラッピングはよく見かけた。驚いたのは窓ガラスの4分の3程度まで広告がOKなこと。観光バスへの車体広告は、IJP(インクジェットプリンタ)によるフィルム施工ではなく、マーキングフィルム加工。しかし、IJPが広範囲に普及していることは歴然だ。

■ストリート・ファニチャー/工事現場仮囲い
 ウクライナは、欧州圏だからストリート・ファニチャーを多く見たが、工事現場仮囲いはキエフで1つだけ見かけた。

■道路横断幕/突き出しフラッグ
 道路横断幕の広告媒体が非常に多かった。コーカサス諸国でもよく見かけたが、この媒体は旧ソ連圏全体の特徴かもしれない。道路占用に突き出すフラッグは、特にクリミア半島に多く見られ、連続掲出で迫力があった。特に好例なのが、シムフォエーポリ~ヤルタ間。この突出しフラッグと道路占用自立広告物の同時一斉掲出場所がシムフェローポリの空港通りに見られた。

■ネオン
 キエフ市ドニエプル川高台の勝戦記念アーチは夜間になると、赤、白、黄、青のネオンが点灯し、見事。まだ、LEDを使ったと思われる夜間イルミネーションも全土で多様されていると聞いた。

■広告主
 私は、キリル文字を読めないので、判読できなかったが、日米欧の広告も目立った。ラーナ農場(ザポロージャの南。元、コルホーズ)を見学した際、農場主から「今後、もっと外国資本が入ってくることを想定し、力をつけなくては」という見方もあり、今後はさらに外国の広告企業が増える見通しだ。

 最後に「総合報道」紙9月15日号によると、国土交通省は民間資金を活用して国の財源を確保するため、道路空間の利用に着目して、「道路空間への広告のオープン化」も検討していくようだが、私は大賛成。今回、ウクラナイナで見かけた広告物(媒体)が、今後日本でも出現することを期待してやまない。